『外田警部TGVに乗る』を読んだんです
以前に紹介した『外田警部』(愛棋家必読ミステリー『外田警部、カシオペアに乗る』 [将棋] All About)、続編を読んだんです。
将棋シーンは減ってはいますよ。けれど、テイストはしっかり味わえます。
今回は、フランスが舞台。しかも、大使館が関係している事件。さてさて、外田警部の活躍やいかに。なんですが、フランスの国民性までしっかり書いてあるんです。もちろん、それが、現実と合致しているのかどうかは不明ですよ。けれど、著者の運びとして、きちんとそのプロセスを踏んでいる。だから、フランスなぞ、『おそ松くん』のイヤミのでしか知らぬ(いや、他にも知っていることは知っていそうですが、やっぱ、イヤミでしょ)ミーごときも、楽しめる作りざんす。
うまいなあ、古野まほろ。唸らせる作品でした。
また、別のも読んでみるざんす。
下の画像はイヤミを知らない人のために参考ざんす。
『1964年のジャイアント馬場』を読んだんです
『1964年のジャイアント馬場』を読んだんです。
僕はプロレスの大ファンなんです。
二人のライバル関係も大好きでした。
僕が子どもの頃はプロレスファンは2分されていましてね。
いわゆる「馬場派」「猪木派」です。
で、僕はこうもりみたいなもんです。
まずもって、驚いたのがこの本の厚さです。これって辞書じゃんか。ヘタしたら、広辞苑だよなあ。
著者は柳澤 健さん。
彼は『1976年のアントニオ猪木』って本を先行させてるんだ。もちろん、僕は読んだ。ルスカ、アリ、ペールワンなどとの闘いを書いているんだけれど、リアルファイとプロレスの線引きをしているんだ。でも、猪木はその線引き自体をしていない。ゆえに、面白かった。
そして、今回の『1964年のジャイアント馬場』。
観客をヒートさせることができるレスラーこそが、トッププロレスラーだという馬場の信念を書き込んだ大作だ。馬場の活躍が、現代のイチローをも上回る物だったことも良く理解できた。
でもね。馬場自身もは線引きをしていないよ。僕はそう思っている。だから、この本にも、もやっとした違和感を持ったし、だから、面白かった。
馬場も猪木も線引き否定派だと感じていた。
だから、僕はこうもり派だったんだなあ。
『素粒子物理学を楽しむ本』を読んだんです
『素粒子物理学を楽しむ本』を読んだんです。
子どもの頃、すべての物質は電子、陽子、中性子の3つからできているって学んだ。でも、例えば、折り紙を半分に切って、それをまた半分に切ってって続けていったら、いつか紙じゃないものになるって信じられなかった。どんなに小さくしたって、紙は紙のはずじゃんか。
イヤ違うんだよ、最後は電子と陽子と中性子になるんだよ。
それは、やっぱり、納得できないこと。
それでも、まあ、なんとなくっていうか、むりやり納得してきた。それが、大人になるってことでもあるのだろう。
ところがである。昨今の世界観はまた変わってきている。陽子も中性子も、まだ分割できるってことらしい。分割したもの、それが素粒子ってことになっている。ちょっと詳しく書くと、電子とアップクォークとダウンクォークって3つの素粒子から、すべての物質ができている。
なんだ、やっぱり3つか。よくわからないけれど、そう思った。
自然は、というか、神様は「3」が好みなのかもしれないなあ。そう言えば、形の始まりは3角形だし。そんなふうに感心したのだけれど、驚いたことに、力も素粒子なんだそうだ。たとえば、原子核内では素粒子をキャッチボールしてるから、壊れないですんでいるんだそうな。質量だって素粒子。これらは、物質じゃないので、さっきの3つじゃなくって、たとえば質量だったらヒッグス粒子ってものが関係してくるそうだ。
だから、っていうか、そもそもっていうか、素粒子は大きさも形もない粒なんだそうだ。でもさ、大きさがないものが、たくさん集まったって、大きくならないよね。
ひえ~だね。
でもね。
でも、この本はすごい。なぜって、わかった気にさせてくれるから。その気にさせるってことは、すごいことだよ。
大拍手だなあ。