将棋先生の「盤上・盤外」この一手

湯の町別府の将棋教室から考察した社会をつづります

『泣き虫しょったんの奇跡』を観た。その1オープニング

泣き虫しょったんの奇跡』を観た。

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泣き虫しょったんの奇跡 Original Soundtracks by Toshiyuki Terui

泣き虫しょったんの奇跡 Original Soundtracks by Toshiyuki Terui

 

 


そのストーリー展開や演者への評価は、専門家に任せたいし、最終的には、もちろん観客それぞれがくだすものだ。
で、ここで僕は、愛棋家としてこの映画への評価を書きたい。
愛棋家の僕の目に、この映画はどう映ったか・・。
いくつかの項目に分けて綴りたい。

今回はその1,オープニングだ。


【1】オープニング


本作品は、盤上に駒を並べる場面から始まる。
なんと、そこに登場するのは手だけだ。
淡々と置かれる駒。そこには、人物の表情も声も、そしてナレーションさえもない。初代宗家・大橋流で並べられていく駒音のみ。

誰なんだ?
いや、誰でも良い。ため息がもれるように見事な手つきである。僕など、この美しい所作だけでも引き込まれてしまうのだが、他にも「おっ」と思わされた箇所が、オープニングだけで二つある。
一つ目は駒がマスの下線に合わせて置かれていったことだ。
実は、駒の置き方には2通りある。一般に知られているのは、本作品と違い、マスの中央に置く作法だろう。つまり、ここは「おっ、そう来たか」と、うならせる場面なのである。おそらく豊田監督は、このオープニングに大きな自信を持っているはずだ。

(いや、もちろん前編を通して持っているだろうけど)
そして、もう一つ、注目していただきたいことがある。
第一番目に置かれる駒が、大変重要なのだ。具体的に書こう。
最初に置かれる駒は「王将」なのか「玉将」なのか。ここに注目してほしいのだ。
実は、これ、本作品の根幹をなすテーマに関わっていることで、後々、出てくるのでチェックしておけば、より楽しめる。

採用された駒の素晴らしさも併せて、オープニングは隠れた名場面だ。

その2は

einosuke47.hatenablog.com

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資料

 

泣き虫しょったんの奇跡』(なきむししょったんのきせき)は、将棋棋士瀬川晶司の自伝的ノンフィクション小説.
2018年、映像化された。
年齢制限で奨励会を退会後、諦めきれず脱サラし異例のプロ編入試験に挑むまでの実話だ。
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監督 豊田利晃
脚本 豊田利晃
原作 瀬川晶司
製作 森恭一(企画・プロデュース)
大瀧亮
行実良
平部隆明
製作総指揮 青木竹彦
岡本東郎
出演者 松田龍平
野田洋次郎
永山絢斗
染谷将太
渋川清彦
駒木根隆介
新井浩文
早乙女太一
妻夫木聡
上白石萌音
石橋静河
板尾創路
藤原竜也
大西信満
奥野瑛太
遠藤雄弥
山本亨
桂三度
三浦誠己
渡辺哲
松たか子
美保純
イッセー尾形
小林薫
國村隼
音楽 照井利幸
撮影 笠松則通
編集 村上雅樹
制作会社 ホリプロ
エフ・プロジェクト
製作会社 「泣き虫しょったんの奇跡」製作委員会
配給 東京テアトル
公開 日本の旗2018年9月7日
上映時間 127分
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