将棋先生の「盤上・盤外」この一手

湯の町別府の将棋教室から考察した社会をつづります

遊びだからこそ「創造心」を伸ばせる将棋

将棋はもちろん日本の伝統文化です。
でも、昔から伝承された遊びでもあります。
考えれば、文化というものの多くは、その発祥は遊びであり娯楽ですよね。
歌舞伎もそう、茶の湯や生け花だってそうでしょう。
それが洗練されて、文化となっていく。
だから修行は厳しくても、どこかに遊び心がある。
そして、遊び心は創造心を養ってくれます。


将星会教室のA君。
ある戦法を考案しました。
みずから名付けて「つのぱあ戦法」。
なんともユニークな名前ですよね。

銀将が牛のツノのように突き出て、ぱあっと広がっていく構想なんですね。
だから「つのぱあ」。

A君はまさしく遊び心から、この創造性を発揮できたのだと思います。
そして、それは、将棋ならではの良さではないかなと、僕は思っています。

ご存じですか?
将棋の戦法・用語には楽しい名前がついている場合が多いのです。

ゴキゲン中飛車アナグマ囲い。かに囲い。がっちゃん銀。などなど。

もちろん将棋の対局は集中を要求され、その真剣度が問われます。
A君も対局中は真剣そのものです。

でも、研究という部分では遊び心が力を発揮するのだと、あらためて将棋の原点を思い返しました。

だから将棋を子ども達に…。