将棋先生の「盤上・盤外」この一手

湯の町別府の将棋教室から考察した社会をつづります

将棋とワクチン

僕は湯の町別府で子ども将棋教室をしています。

そんな中から、子ども達と将棋について、知育や心育の面から、少し、つづります。

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子ども棋士の皆さんへ

 

将棋を初めて1年もたつと、「つらさ」や「きつさ」がわかってきます。

楽しいだけでは、すまなくなるんですね。

みなさんも、経験があるでしょう。
たとえば、詰め将棋がわからずに、がっかりしたり…。
大会で負けちゃってつらい気持ちになったり…。
 
ところで。
人間の身体には、免疫(めんえき)というすごい力があります。
その力は病気から身体を守ってくれます。
例えば一度かかった病気にはかかりにくくなるんですね。
そうそう、ワクチンって言葉を知っているでしょう。
ワクチンも免疫という力を利用しているんです。

でね。
実は、将棋での「きつさ」や「つらさ」はワクチンの役目をするんです。
大切な「心のワクチン」になるんです。
将棋は、ひとりで戦う競技です。
だから、すごく効き目のある「心のワクチン」ができます。

皆さんには、これから先、いろんなつらいことや悲しいことがあります。
それは、仕方のないことです。
でも、そんな時に、育ててきた「心のワクチン」は、きちんと働いてくれるんです。
これは、保証しますよ。
 
さあ、皆さん、たくさん指しましょう。
そして、たくさんのワクチンを育てようじゃありませんか。

つらいことやきついことが、どんなふうに変化していくか。

時々、自分の中をのぞいてみてくださいね。